預金金利や住宅ローン金利など、私たちの生活に密接に関わる「銀行の金利」。この金利はいつ、どのように決まっているのでしょうか?決まった時期に変わるのか、それとも社会の動きによって変動するのか。この記事では、銀行金利の仕組みと変動要因について分かりやすく解説します。
銀行の金利に「決まった改定時期」はあるのか?
一般的に銀行の金利には、明確な「改定日」があるわけではありません。各銀行が独自の判断で随時見直しを行っており、変更頻度も商品によって異なります。
例えば、住宅ローンの「変動金利型」は年に2回(多くは4月と10月)に金利の見直しを行うケースが多いですが、これはあくまで適用金利であって、実際の店頭金利は随時更新されることもあります。
金利を動かす要因は「日銀の金融政策」が大きい
銀行が金利を見直す主な理由は、日本銀行(以下、日銀)の金融政策の変更です。たとえば日銀が「政策金利(短期金利)」を引き上げれば、それに連動して銀行も貸出金利や預金金利を引き上げる傾向があります。
これは、日銀が年に8回開催する「金融政策決定会合」で決定されます。会合の直後には、金利の見直しが相次ぐことがあるため注目です。
社会情勢や経済の動きも金利に影響する
金利は国内要因だけでなく、世界経済やインフレ率、為替の変動など、さまざまな外的要因でも影響を受けます。たとえばアメリカのFRBが金利を上げた場合、日本の長期金利が影響を受けて、銀行の定期預金金利などにも波及することがあります。
また、急激な円安や資源高などにより、インフレ懸念が高まれば、金利引き上げの動きが出ることもあります。
実際に金利が変動した事例:住宅ローンを例に
たとえば、2022年末に日銀が長期金利の変動許容幅を広げた際、多くの銀行が2023年1月以降に住宅ローンの固定金利を引き上げました。
このように、日銀の政策変更の翌月などに銀行の金利が反応するケースが多く見られます。したがって、金利動向を予測したい場合は日銀会合のスケジュールに注目するとよいでしょう。
預金金利とローン金利の動き方の違い
預金金利とローン金利は、同じ方向に動くとは限りません。例えば、貸出金利は市場競争によって調整される一方で、預金金利はなかなか上がらない場合もあります。
これは銀行が利益を確保するために、貸出金利の調整を優先させる傾向があるためです。つまり、ローン金利は上がっても、預金金利は据え置きという状況も珍しくありません。
まとめ:銀行金利は「決まった日」よりも「社会の動き」に連動する
銀行の金利にはカレンダー的な決定日はなく、日銀の政策や経済状況、世界の金融市場の影響を受けて柔軟に変動します。特に住宅ローンや定期預金の金利が気になる場合は、日銀の会合スケジュールや政策動向をチェックするのが有効です。
身近なお金の動きだからこそ、少しアンテナを張っておくだけで、家計に大きな違いが生まれるかもしれません。
コメント