社会人になってから健康保険の切り替え手続きを行う際、知らないうちに「二重払い」になっているケースは意外と多くあります。特に国民健康保険(国保)から社会保険へ切り替わった後も、引き続き国保の保険料が口座から引き落とされてしまう状況は、誰にでも起こり得るものです。本記事ではその仕組みと、返金対応の流れについて詳しく解説します。
国保と社会保険の切り替えの仕組みとは?
会社に入社し社会保険に加入すると、本来は国保を脱退する必要があります。しかし、脱退手続きは自動では行われず、本人が市区町村役場で手続きをする必要があります。この手続きを怠ると、国保の保険料の請求が継続されるのです。
つまり、社会保険に加入していても、役所側がそれを把握できなければ「国保にも加入している」扱いが続いてしまいます。
二重払いの状態とはどういうことか?
実際には、社会保険料(会社の給料から天引き)と国保料(銀行口座から引き落とし)を同時に支払っているため、「保険料の二重払い」の状態になります。この場合、原則として国保の方が過払いとなり、脱退手続きを行うことで還付の対象となります。
なお、すでに医療を受けていない限り、国保からの還付対象額はほとんどそのまま戻るケースが多いです。
返金のためには自分から申告が必要
基本的に、還付は役所から自動で案内が届くこともありますが、確実性はありません。自治体によって対応が異なるため、気づいたらすぐに自分で申告するのがベストです。市区町村役場の保険年金課などに「社会保険に加入したのに国保の保険料が引かれ続けている」旨を伝えましょう。
この際、会社から発行された「健康保険資格取得証明書」や保険証のコピーが求められることがあります。
返金までの流れと必要書類
- ① 市区町村役場にて国保脱退の手続き
- ② 社会保険の加入証明(または保険証コピー)の提出
- ③ 還付の対象期間と金額が確定される
- ④ 後日、還付通知書と振込日のお知らせが届く
- ⑤ 登録した口座に還付金が振り込まれる
還付には1〜2か月かかる場合があります。また、口座引き落としを解除していない場合は、その間も保険料が引かれ続けるため、速やかに停止手続きも併せて行いましょう。
よくあるトラブルと注意点
・会社が社会保険に加入していないと思い込み、国保のままにしてしまう
・会社の手続きと本人の脱退手続きが同時に必要なことを知らなかった
・還付されると知らず、自己負担で済ませてしまう
これらはすべて、多くの新入社員や転職者が経験する初歩的なミスです。しかし、気づいて対応すれば損を防ぐことができます。
まとめ:気づいたらすぐに役所で確認・申請を
国民健康保険と社会保険の重複加入による二重払いは、本人の申告によって解決できます。自動的に返金されるケースは一部に限られるため、「おかしいな」と思ったら、すぐにお住まいの役所に相談してみましょう。保険料の無駄をなくし、安心して新しい生活をスタートさせるためにも、早めの行動が大切です。
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