国民健康保険を脱退（喪失）したあと、マイナポータル上の保険情報が更新されず、病院で全額負担になる――こうした事例は実際に発生しています。特に職場の健康保険へ切り替えた直後や手続き中に保険証が手元にない時期は、非常に不安な時間が続きます。本記事では、マイナポータルの健康保険情報がなぜ反映されないのか、どう対応すればよいのかを詳しく解説します。
マイナポータルの健康保険情報は自動更新される？
マイナポータルに表示される保険情報（マイナ保険証連携情報）は、各保険者（市区町村や健康保険組合）からデータ連携されて更新されます。ただしこの更新には数日から数週間のタイムラグがあることがあり、「リアルタイム反映」ではありません。
特に国民健康保険から職場の社会保険へ切り替える際は、旧保険の喪失手続きと新保険の加入手続きが別々に行われるため、マイナポータル上での更新が遅れる要因になります。
喪失手続きをしても反映が遅れる原因
以下のような理由でマイナポータルの情報が更新されない・遅れることがあります。
- 保険者から国のシステムへの通知に時間がかかる
- 市区町村と事業所での手続き完了タイミングがずれる
- 新しい保険証が発行される前の状態
- マイナポータル側のデータ取得が1日1回〜数日に1回
このため、「2週間経っても変わらない」という状況は珍しくありません。
マイナポータルの情報が古いまま病院に行くとどうなる？
保険証の情報がマイナポータルと一致していない状態でマイナンバーカード（マイナ保険証）を使うと、病院の受付側では「保険適用外」と判断され、医療費が一時的に全額自己負担になることがあります。
ただし、あとから保険加入が確認されれば、「償還払い」として7割（または9割）を返金してもらえる制度があります。申請方法は医療機関または保険者で案内されます。
対応策と問い合わせ先
マイナポータルの情報が更新されず不安な場合は、次のような対応をとりましょう。
- 旧保険（国民健康保険）の市区町村役場に喪失手続きの進捗を確認
- 新しい職場の健康保険の保険証発行状況を会社や組合に確認
- 病院ではマイナンバーカードではなく紙の保険証を使う（まだ届いていない場合は窓口相談）
なお、マイナポータルの問い合わせ窓口はマイナンバー総合フリーダイヤル（0120-95-0178）が利用できます。
今後のためにできる予防策
保険の切り替え時に同様のトラブルを避けるためには、以下の対策が有効です。
- 喪失証明書・資格取得証明書などを事前に取得しておく
- 保険証が届くまでマイナンバーカードでの受診は避ける
- 切り替え時期には医療機関受診を控えめにする
また、紙の保険証とマイナンバーカードは併用可能です。制度移行中は紙の保険証の携帯をおすすめします。
まとめ：マイナポータルの保険情報は即時更新されない点に注意
マイナポータルの健康保険情報は、保険者からの連携を通じて更新されますが、喪失や加入の手続きから実際の反映までにタイムラグが生じるのが現状です。
マイナ保険証で受診する際は、事前に情報が最新になっているか確認し、心配な場合は紙の保険証を利用しましょう。トラブルが起きたときは、保険者・医療機関・マイナポータル窓口への早めの相談が解決の近道になります。
コメント