アルバイト収入が増えてきた学生にとって「150万円の壁」という言葉は気になるポイントです。「このまま働いても大丈夫?」「社会保険って入らないといけないの?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。この記事では、特に18歳で新大学生の方向けに、150万円の壁の意味と影響、学生アルバイトとして気をつけるべきポイントをわかりやすく解説します。
「150万円の壁」とは何を指しているのか?
一般的に「150万円の壁」というのは、配偶者控除や扶養に関する税制度を背景にした目安です。ただし、これは主に既婚者向けの制度(配偶者控除・配偶者特別控除)で、学生自身が対象になることはほとんどありません。
では、なぜ学生にも「150万円の壁」が話題になるかというと、それは社会保険の加入義務との関連があるからです。正確には「130万円の壁」「106万円の壁」の方が学生には重要です。
学生アルバイトに関係する主な収入ライン
学生が気をつけたいラインは以下のとおりです。
- 103万円:親の扶養内で所得税がかからないライン
- 130万円:親の健康保険の扶養から外れる基準
- 106万円:一定条件下で社会保険に加入義務が生じるライン
とくに130万円を超えると、親の扶養から外れて自分で国民健康保険・年金の支払いが必要になる可能性があります。150万円はそこからさらに稼ぎすぎた場合の一つの目安です。
アルバイト先で社会保険に加入しなければならない条件
2022年以降、アルバイト先の従業員数が101人以上で、以下のすべてに該当する場合、学生であっても社会保険(厚生年金・健康保険)に加入しなければなりません。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収8.8万円以上(年収106万円以上)
- 2ヶ月を超える勤務予定がある
- 学生ではない(ただし「昼間学生」は原則除外)
つまり、あなたが「昼間の大学生」であれば、年収150万円を超えても即時社会保険加入の義務は基本的にありません。ただし、夜間大学生や通信制、社会人大学生は対象になる場合もあるため注意が必要です。
扶養内に収めたいなら130万円が一つの目安
社会保険上の扶養は「年収130万円未満」が条件となります。これを超えると親の扶養から外れ、自分で国民年金・健康保険に加入する必要が出てきます。
たとえば、年間で90万円を稼いでいる状態で、残り60万円分を稼ぐと130万円を超える計算になるため、その時点で扶養判定が見直される可能性があります。扶養のままでいたい場合は、130万円未満に収めると安心です。
実際に学生が気をつけるべきポイント
・親の扶養内でいたいかどうかを事前に話し合う
・アルバイト先の規模や労働条件を確認して、社会保険の加入対象になるかチェック
・税金だけでなく、健康保険や年金の負担も考慮して稼ぐラインを決める
アルバイト先で「150万円まではOKだよ」と言われることもありますが、それは税金面の話であって、扶養や保険のルールとはまた異なります。曖昧なまま鵜呑みにせず、自分の状況に合った判断が大切です。
まとめ:150万円はOKではなく、自分にとってのラインを見極めよう
「150万円の壁」という言葉は耳にしますが、学生にとって本当に重要なのは「130万円の壁」や「社会保険加入要件」です。あなたが昼間の大学生であるなら、たとえ年収150万円になっても社会保険加入は基本的に免除されるため、心配しすぎる必要はありません。
ただし、親の扶養や自分の将来の保険料負担、アルバイト先の条件によって影響が出ることもあるため、年収が130万円を超えそうな場合は一度親や税理士などと相談することをおすすめします。
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