車を運転していると避けられないのが、ちょっとした接触や事故。特に「ドアパンチ」などの小さな傷でも保険を使うと等級が下がると聞いて、使うべきか迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、自動車保険を使った際の等級ダウンの仕組みや、金銭的な損失の違いについて解説します。
自動車保険の「等級」とは?
自動車保険には「等級制度」があり、契約者の保険料に大きく関係しています。一般的に1等級から20等級まであり、等級が高いほど保険料は安くなります。新規契約者は6等級からスタートし、事故を起こさなければ毎年1等級ずつ上がっていきます。
逆に事故を起こして保険を使うと、多くの場合で3等級ダウン。これにより翌年以降の保険料が大幅にアップします。
ドアパンチでも大きな事故でも「3等級ダウン」は同じ
実は、ドアパンチのような軽微な傷でも、相手がいて保険を使えば「3等級ダウン」。大きな追突事故や自損事故でも同じ「3等級ダウン」となることが一般的です。
つまり、「保険を使うかどうか」の判断は、単純な損害額だけでなく、今後数年間の保険料の増加を含めたトータルコストで考える必要があります。
実例:等級ダウンによる保険料の差
たとえば、現在15等級の方がドアパンチ修理で保険を使い、3等級ダウンして12等級になった場合、翌年以降の保険料は年間3〜5万円ほどアップすることがあります。
修理費が5万円程度であれば、保険を使うより自己負担した方が、長い目で見て安く済む可能性が高いということです。
保険を使うメリットが大きいケース
- 修理費が数十万円以上にのぼる
- 事故の相手への賠償が発生する
- 人身事故で高額な治療費が必要になる
このような場合は保険を使ってでもカバーすべき損害といえるでしょう。逆に、少額の物損事故では保険を使わない方が賢明な選択になることも。
免責金額と等級据え置き事故
契約内容によっては「免責金額(自己負担額)」が設定されており、その金額を下回る損害については保険が使えません。また、「等級据え置き事故」に該当すれば、保険を使っても等級が下がらないこともあります。
たとえば、「飛び石によるガラス破損」や「盗難被害」などは、ノーカウント事故とされることもあるため、自身の保険会社に事前に確認することが大切です。
保険を使うかどうか迷ったときの判断基準
迷ったときは以下のポイントを参考にしてみてください。
- 修理費と保険料アップの差額をシミュレーション
- 事故の内容が今後の等級にどう影響するかを確認
- 保険会社の事故相談窓口に見積もりや内容を相談
自分一人で判断せず、プロのアドバイスを仰ぐのが得策です。
まとめ
自動車保険は、損害の大小に関わらず保険を使えば「等級ダウン」が起こる場合が多く、保険料の増加を招きます。小さな傷の修理では保険を使わず自費で対応した方が、トータルで見てお得なこともあります。事故の内容と金額、等級変動を冷静に比較して、納得のいく判断をしましょう。
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