最近、電車のタッチ決済や一部のオンラインサービスなどで「VISAとJCBは使えるが、Mastercardは使えない」といった場面に出くわす人が増えています。かつてはどのブランドもほぼ同等に使える印象がありましたが、なぜこのような差が出始めているのでしょうか?この記事では、決済ブランド間の違いや、実際に起きている事例をもとに、その背景をわかりやすく解説します。
カードブランドの違いとは?まずは基本を押さえよう
クレジットカードの主要ブランドには、VISA・Mastercard・JCB・American Expressなどがあります。それぞれはカード会社というよりも「決済ネットワーク」を提供する存在であり、実際のカード発行は銀行や信販会社が行っています。
VISAとMastercardは世界的にシェアが高く、加盟店の数も多いため、基本的にはどちらを使っても差はないように見えます。しかし、日本国内ではJCBが発行側・加盟店開拓の両方を行っているため、国内向けサービスではJCBが優遇される場面もあります。
なぜMastercardだけが除外されるのか?
最近見られる「Mastercardは対象外」という事例の背景には、いくつかの要因が考えられます。特に注目されているのが、交通系のタッチ決済サービスでの対応状況です。
例えば、JR東日本が導入しているタッチ決済(オフライン決済を含む)は、当初VISAブランドとの提携から始まりました。そのため、システム側の都合や契約上の問題により、Mastercardの対応が遅れているという事情があるとされています。
また、ブランドによって処理方式やセキュリティ仕様が微妙に異なることも、システム対応の難易度に関わっている可能性があります。
実例:Mastercardが使えなかった場面
具体的な例として、以下のような事例が報告されています。
- JR東日本の「タッチでGo!新幹線」ではVISAは使えるが、Mastercardは非対応
- 一部の自治体で行っているキャッシュレス給付の申請フォームで、VISA・JCBは対応、Mastercardは不可
- 小規模オンラインショップでMastercardのみ決済エラーになるケース
これらのケースは一時的なものや技術的な制限によるものもあり、今後対応される可能性もありますが、現時点では「Mastercardが使えない=不具合」ではなく、仕様として使えないケースが存在していると認識することが大切です。
Mastercardユーザーが取るべき対策
Mastercardを主に利用している人がこのような制限に備えるには、以下のような対策が有効です。
- サブのVISAカードを1枚用意する:交通系ICや海外旅行など、VISA優遇の場面に備える
- タッチ決済非対応のサービスでは別ブランドを選択:特にモバイル決済連携時に注意
- 公式対応状況を確認:サービス公式サイトや運営元のSNSなどで対応ブランドを事前チェック
また、Apple PayやGoogle Payを利用している場合は、端末に複数のカードを登録しておき、場面ごとに使い分けると便利です。
まとめ:Mastercardが使えないのは一時的かつ限定的なケースが多い
最近見られる「Mastercard非対応」の場面は、決済システムの実装順や提携状況、セキュリティ仕様によるもので、必ずしもMastercard自体に問題があるわけではありません。むしろ、今後の対応拡大によって差は徐々に解消されていくと考えられます。
とはいえ、VISAやJCBと比べて一部遅れている面もあるため、特定のサービスを利用する際には事前に対応ブランドを確認することが大切です。複数ブランドのカードを使い分けることで、快適なキャッシュレス生活を送ることができるでしょう。
コメント