社会保険への切り替え後に国民健康保険(国保)の脱退手続きを忘れていた場合、「保険料の二重払い」が発生する可能性があります。特に何年も経ってから気づくと、気が気でないものです。本記事では、国保の自動更新の仕組み、脱退手続きの要点、確認方法、そして過払いがあった場合の対応策について詳しく解説します。
国民健康保険は自動的に脱退しない
国保は「本人が申告しない限り自動的に脱退にはならない」制度です。社会保険に加入した場合でも、市区町村に対して国保の資格喪失届を提出しなければ、国保の加入状態が続いたままとなります。
そのため、社会保険に加入しただけでは国保は脱退されず、二重で保険料が引き落とされる可能性があるのです。
通帳の引き落とし履歴で脱退状況を判断するのは危険
「しばらくしてから引き落としがなくなったから大丈夫」と思ってしまうかもしれませんが、それは市町村が口座の残高不足等で自動引き落としを止めただけというケースもあります。
本当に脱退できているかどうかを判断するには、保険証が届かないという事実だけでは不十分です。正式な手続きの有無がすべてです。
確認のために市区町村窓口に問い合わせを
不安がある場合は、住民票のある自治体の国保窓口に連絡し、自分の資格状況を確認するのが最も確実です。電話1本で加入状況や過去の支払い履歴を確認してもらえるケースが多く、必要であれば文書での照会や証明書の発行も可能です。
また、脱退手続きをしていなかった場合でも、社会保険に加入した証明(資格取得日が記載された健康保険証のコピーなど)を提出すれば、さかのぼって脱退処理をしてもらえる可能性があります。
過払いがあった場合は還付されることも
もし国保の保険料が社会保険加入後にも引き落とされていた場合、還付申請を行うことで一部または全額が返金されることがあります。ただし、還付の対象期間には制限(通常2年)があるため、早めに確認・申請することが重要です。
この際、必要となる書類には以下のようなものがあります。
- 社会保険の健康保険証(取得日が確認できるもの)
- 給与明細や雇用契約書
- 通帳の引き落とし履歴
- 本人確認書類
保険証が届いていない=脱退済みではない
保険証が更新時期に届いていないからといって、必ずしも「脱退できている」とは限りません。何らかの事務的な手違いや、宛先不明による未着なども考えられます。
また、保険証が発行されていなくても、保険料の納付義務が残っているケースもあるため、実際に加入状況を確認せずに安心するのは避けましょう。
まとめ:国保脱退の確認と対応は「今すぐ」行動を
社会保険に加入しても、自動的に国民健康保険が脱退されるわけではありません。脱退手続きをしていないと、二重払いが続く可能性もあり、不安な場合はすぐに市区町村の窓口へ確認を。
脱退漏れが発覚しても、還付を受けられる場合があるので、証拠書類をそろえて早めに申請することをおすすめします。不安なままにせず、事実を明らかにすることでスッキリしましょう。
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